僕が洗脳され教祖様へ259.6万支払った具体的な7つの方法

これは、実際にあった話です。
僕が22歳の時ネットワークビジネスをしていた頃の話です。
ネットワークビジネスの勧誘を受けて、数回のセミナーに赴き、
ニュースキンというネットワークビジネスをはじめました。
結果から言うと、タイトルの通り、259.6万払いました。
一応、内訳です笑
- 製品代(健康食品、日用品等)75.6万円 126000円×6ヶ月
- サブ教祖様からの贈り物ベンツAMG 150万円(本体100万、車検40万、税金10万)
- 旅行代(フィンラドにオーロラを見に行こう)17万円×2人分(行ってない)
約260万です。
この他、交通費や、セミナー代(週3~4回×1~2000円)、手帳、カバン、スーツ代もありますが、除いています。
全ては経験ですからね!勉強代じゃい!笑
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ネットワークビジネスは、MLM(マルチレベルマーケティング)やマルチ商法、無限連鎖講(ねずみ講)と言われることもあります。
この記事は、MLMを否定するものではありません。合法なので、胸を張って生きていっていいと思います。法律で合法になるということは、法を整備して全うなビジネスとして行えば社会にとって有利な面があるから合法になっていると思います。
メインは、洗脳の方法についです。
- 自分が洗脳されいるか疑問に思うことがある
- 友人や家族が洗脳されているかもしれない
といかたは、参考になると思います。
洗脳ってどんな感じなのか?
洗脳のイメージって、「スピリチュアル」「波動」「超能力」「宗教」「サイキック」みたいなかんじですよね。でもすが、結構戦略的で、具体的なものです。心理学の分野に近いかもしれません。
動画の方がわかりやすいので、3名ほど紹介しておきます。
アムウェイ-渡辺敬佑さん
ちゃんとしたスピーチです。渡辺さんという方です。
感情に訴える話し方や、身振り手振り表情がカリスマですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=i4RlV16Ti-M&t=210s
熱い人っていうイメージです。
失敗談をきいいてると、ぼくは、本当に泣きそうになります笑
努力や継続や、粘り強さとか、、自分の弱さと比較して、モチベーションを与えてくれるようなスピーチです。面白いですし。
アムウェイは日本最大のネットワークビジネスです。
中島薫さん、山﨑拓己さんなど、本の著者や、元プロ野球選手などもアムウェイやっているよ。と言われると、信用しちゃいますよね。
ナチュラリープラス-鈴木宗男さん
元衆議院議員の鈴木宗男氏がネットワークビジネスについて語っています。
聴衆の笑いや拍手に違和感を感じます。こういった、語りでもしかしたら救われる人がいるかも知れません。
ネットワークビジネスのリーダーというのは、心に語りかけてきて、温かい家族の様な印象を与えます。ですが、鈴木宗男さんは、国の権威、信用のシンボルとして登壇されているのではないでしょうか。情熱的なタイプではないですからね。流石に衆議院議員が出てきたら、違法だとは思いません。
ニュースキンのラスボスの枦川友彦さん
説得力や、ユーモア、話し方、トーン、身振り手振りは、教祖のイメージとは全然違うと思います。
ぼくは、最終的に、恐喝や、強要されて買った訳じゃないので、法的には問題ありません。
ただ、洗脳と、ネットワークビジネスには共通点があまりにも多いので、紹介させていただきます。
以上の3名を見ても分かる通り、そんなにやばいスピリチュアルな感じや超能力の様な感じではないと思います。
洗脳のステップ1:独自の社会的真実を作る
ここからは、ニュースキン(インプルーブという組織)での経験と参考文献を元に、記載します。
第一段階:情報の遮断
セミナーでは、外部の情報を遮断するように促します。
ネットの情報は信用できないから見るな
家族や友達に相談しても、やったこともない人のアドバイスは意味ないからやめとけ
セミナー会場やホールでの、閉鎖された空間
これらは、情報の遮断です。
そして、ニュースキン以外のものは悪である、という方向に向かう様に教育が始まります。
第二段階:“これしか無い“という世界観を与える
ニュースキン的世界観がありました。ニュースキン以外の製品は、悪だ。一般製品は肌を悪くする。ニュースキンは世界最大のニューヨーク株式市場の評価が5A1と、アップルやトヨタと一緒で優良企業ですとか。デューク大学、コロンビア大学、ウィスコンシン大学、ハーバード大学など、肌の権威達と提携している。など。こんな会社ニュースキンしかりませんよ。と。
好きなときに、好きな場所で、好きな人と、という世界観がありました。
上記のアムウェイの渡辺さんも、「アムウェイしかない、他社は”いい製品を届ける“だけど、アムウェイは”幸せな人を作る“、自分が幸せになるだけなら、株でも、営業でも何でもいいですけど、アムウェイしか幸せな人を作る方法ないですよ」
と、“これしか無い”という価値観を与えます。
第三段階:「独自の言語創作」と「繰り返し」
僕が、ニュースキンでネットワークビジネスをしていたときは、略語集がありました。
「人脈づくり→ST(ソーシャルタイム)」「アポイント→CT(コンタクトタイム)」みたいな感じで一覧で沢山ありました。この独特な言語を使うことによって、一体感や仲間意識ができます。
あとは、同じメッセージを何度も繰り返し聞きます。同じ内容のセミナーが月に4回はあります。それに毎回参加します。そして、参加状況をチェックされて、やる気があるやつを見ています。繰り返すことによって、親しみが生まれます。
また、繰り返し聞いているうちに、嘘も真実の様に聞こえてきます。こうして繰り返し繰り返し聞いていると、正しい判断ができなくなります。
ナチスドイツのヒトラーが、テレビ局の情報を遮断して、同じメッセージを何度も放送したのは有名ですよね。それと一緒です。ユダヤ人は悪で卑劣で悪魔のような殺人鬼と。
洗脳の方法2:グランファルーン法(関連のなかった人達を団結させる・仲間意識法)
これは、人間の心理を使った方法です。
人間には、「帰属欲求(どこかの集団に所属したい)」があります。
ニュースキンでは、ニュースキンに加入して本気でビジネスをすることは「他の世界からの離脱」「新しいアイデンティティ(自我)を受け入れる」ことを意味しました。
これは、時間と金銭的な自由がほしければ、友人などと同じ意識で遊んでいては行けない。といったものでした。もし、時間と金銭的な自由が欲しければ、それに見合った基準値で行動しなければならない。あなたが、時間とお金の自由を得られていないのは、教えた通りのやっていないからだ。」という感じで、洗礼の儀式?のような物がありました。
具体的にいうと、「ブランドチェンジ」といって、現在使っているシャンプーや洗剤を全部ニュースキン製品に替えるというものでした。もちろん、強制的ではなく、あくまで“稼ぎたければ”従ったほうがいい。というものでした。
あとは、スーツや、髪型の指定もありました。これも強制的ではなく、あくまで“稼ぎたければ”従ったほうがいい、というものです。
こうして、共同体の一部として、身なりを統一させることで、自分は選ばれたのだという確信を与えます。選ばれた次は、教祖に従順であり、新しい環境での成長を求めます。
そして、グランファルーン法のもう一つの方法は、「外部の集団に対する憎しみ」を作ることです。他のネットワークビジネス(アムウェイや、リゾネットは、儲からない、やり口が汚い)や、ニュースキンビジネスを批判する人(ドリームキラーと呼んでいた)
こうして、外部の敵を認識させることによって、教祖さまには、2つのメリットがあります。
1つ目は、今いる集団が快適に感じる。
2つ目は、集団から離れることが怖くなる。
こうして、「幸せな生活を送るための唯一の方法はニュースキンしかない」と思わせる事ができるはずです。
ちょっと長かったので、具体的な手法をまとめると
- 帰属欲求を利用する
- 共通言語の創作と普及
- 通過儀礼(ブランドチェンジ(約13万円分の製品購入のこと))
- 服装髪型(スーツ・髪型)
洗脳の手段3 コミットメントを引き出す
入会したメンバーは、最初の方であれば、簡単な要求に答えてくれます。
ですが、その要求はだんだん難しくなっていきます。
すると、教祖様は、会員の「忠誠心」を試します。稼ぎたいなら、稼いでいる人の言うことを素直に聞いたほうがいい。と。
そして、「仕事を辞めなさい」と、従順さを試します。仕事を辞めるって結構な選択ですよね。ここで、ぼくは、きちんと会社を辞めました。笑。
最初の小さなコミットメント(髪型を変えるとか、ブランドチェンジをするとか)の後、方向性を変えるのは気分がよくありません。自分で言ったことややったことに一貫性がないと、自分に対して不誠実なので気分がよくありません。
なので、最初の小さなコミットメントの感覚を正当化するために、さらに大きなコミットメントを進んでやるようになります。
その結果、限度なく大きなお願い、要求に対して従順に従うようになります。
その結果、ぼくは、教祖の旅行代17万円を支払い、サブ教祖様の17年落ちのボロボロベンツAMG150万円(売却価格40万)を購入しました。
もう、この辺は、全然ネットワークビジネスと関係ないですよね。これは完全に違法ですよ笑
教祖様の言うことに対して、裏切るのは、非常に罪悪感でした。お金を差し出すことによって、献身的で誠実なのだと自分に言い聞かせていたのかもしれません。
洗脳の方法4:教祖の魅力・信頼性・尊敬・憧れの確立
教祖様には、伝説の物語がありました。
「20代で、月収300万稼げるようになった。でもその裏ではものすごい努力をして、沢山の友人を失い、借金も300万した。でも今では、借金をしてよかったと思っている。」
旨の内容でした。
他にも、魅力的な人物であるこの重要性は常々説いていました。
- 昼の仕事で一番になれ
- 面白いことを言えるようになれ
- あるき方、持ち物、表情、あらゆることに気を配れ
でした。
実際に、僕が会ったリーダー格の人々は、ものすごく人間的にちゃんとした人という印象でした。
身なりもそうですが、過去の経歴がキーエンス、プログラマー、大企業などもありました。
話していても、自分のことそっちのけで、傾聴してくれるし、冗談が面白いし。
女性であれば綺麗な人が多い印象がありました。
特に、女性の見た目がいい場合は、男性が注目するのは当然ですが、女性も注目するので特に人が集まっていた印象です。
洗脳の方法5 勧誘することによって、自己説得を強める
タイトルの通りですが、誰かを誘うには、自分の行っている活動の素晴らしさを考えてまとめて、情熱てに語らないといけません。その過程はまさに自己説得なのです。こうなると、勧誘すればするほど、自分の決意は固まります。
また、多くの場合説得中に批判を浴びるので、反論対策など徐々に覚えていき、いつの間にか最強の免疫を作り出しています。
そうなると、教祖様は自分の手を使わず、会員を維持できます。
洗脳方法6:反論や違和感を考えるスキすら与えない
ニュースキンでは、勧誘する際は、決して1人にしませんでした。
絶対2人以上のニュースキン会員が近くにいました。
また、セミナーの主催者の喋り方からも分かる通り、ずっと喋り続けます。
これは、情報の正誤を判断するスキを与えないためではないかと思います。
また、セミナーの開催時間は、仕事帰りの疲れた時間に開催されていました。
20時以降に開催されていました。ちなみに20時以降に仕事が終わるような仕事は辞めろというアドバイスが主流でした。
疲れていると、だんだんと理解しようとする意欲がなくなります。すると、無意識の中にセミナーの内容が刷り込まれていたのではないかと思います。
ほとんどのネットワークビジネスは、前向きに受けとるには、厳しい状況です。それを簡単な仕事の様に感じさせ、疑問を抱かせないのは、洗脳のテクニックが使われているからではないでしょうか。
洗脳の方法7:信者が「欲しい将来」を見せつける
ニュースキンのセミナーの最後では、「ニュースキンビジネスで手に入るもの」という項目が必ずありました。沢山の綺麗な写真があったり、海外旅行の動画が流れたり、月10万円の不労収入があったら生活がどんな風に変わるのかが流れていました。
これから参加するメンバーは、理想の将来に向けて、ネットワークビジネスを始めるモチベーションになります。というのも、ネットワークビジネスを始める人は、世の中に絶望した人とか、何か悩みとか不安を抱えた人です。願望を具体的に見せられると、目的意識が芽生え、強力なモチベーションになります。こうして、もともと心にもなかった願望が芽生えて、ネットワークビジネスがその人にとって生きる希望になってしまいます。
まとめ
以上が、洗脳の7つの方法です。
別にこれらの方法が悪いわけではないと思います。
これらの手法で、社会を良くしようとして利用する分には良いと思います。
ですが、利己的につかって、誰かが悲しい気分になるのは最悪です。
使わないにしても、こういう手法で、人を洗脳する人がいることを知っておくだけでも自分の身を守るということに繋がると思います。
- 心に闇を抱えた人や
- 今の会社に不満がある人
- はっきりものが言えない・気が弱い人
- 論理的な思考力が薄い
そういう自覚がある人は、特に「断る」勇気が必要だと思います。
参考文献:
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